Wednesday, December 05, 2007

親だからできる赤ちゃんからのシュタイナー教育

シュタイナー的な教育論に出会うまで、子供を育てるということはストイックで辛いものだと思っていた。子供の気質や趣味嗜好はもちろんのこと、子どもがどういう風に成長していって、どんな人生を送るのかは、親の育て方が全面的に影響してくるのだと思っていた。子供に対して親が負う責任の重さに戦々恐々としていたのだ…。

子供に対してベストを尽くしたい。けれど、その思いが強ければ強いほど、巷に溢れる様々な情報や価値観に翻弄されて、一体全体何が良いのかわからなくなる。

典型的な頭デッカチになっていたところへ、まさに天啓が降りてくるというばかりに出会ったのがこの一冊。

「子どもは、たんに家庭における体験を集めただけの存在ではないし、私たち親の持つ育児技術の製品でもない、かけがえのない存在です。」

「子どもは小さな大人ではありません(中略) たとえば、まだ一、二歳の幼児は、自己と外界に違いがないような「参加的な意識」のあり方をしています。二歳から三歳の間に記憶が発達し、「私」という言葉を使うようになったとき、初めて意識に大きな変化が表れます。このため多くの人は、三歳以前の記憶をほとんど持ちません。」


七歳までの子どもは、全身を感覚器官にして世界を理解し、周囲の人間を模倣することで成長する。親がしなければならないことは、大人の理論や知識を押し付けたり、大人のルールにのっとって躾にやっきになることではない。子どもを取り囲む空間を美しく温かいものにして、子どもが「自分は大切にされ、愛されているのだ」と常に感じられるようにすることが、私たち親のするべきことなのだ。

子育てという、クリエイティブで、芸術的で、愛情に満ち溢れた仕事をスタートすることに、期待と喜びを感じずにはいられない。

親だからできる赤ちゃんからのシュタイナー教育―子どもの魂の、夢見るような深みから