Thursday, October 20, 2005

そして、一粒のひかり


コロンビアの麻薬問題をリアルに描いた映画、「そして、一粒のひかり」を見ました。


南米の社会問題に鋭く切り込みながら、ひとりの若い女性の成長をすくい取り、サンダンス国際映画祭での観客賞ほか、数々の国際映画祭で評価されたドラマ。17歳のマリアは生花を商品にするための加工作業をしている。乳児を抱える姉をはじめ、女ばかりの家族はマリアの収入を当てにしており、彼女はプレッシャーを感じながらも日々を過ごしていた。そんな中、深く愛し合っていたわけでもない彼氏の子供を妊娠していることに気づいたマリアは、結婚はせずひとりで解決しようとする。が、上司と職場で衝突し仕事を失ってしまう。偶然出会ったフランクリンから“ミュール(麻薬を胃の中に飲み込んで密輸する運び屋)”の話を聞いた彼女は、危険だと知りながらも5000ドルという報酬に、仕事を引き受ける。3人のミュールとともに、麻薬を詰めたゴム袋を62粒も飲み込んで、マリアはニューヨーク行きの飛行機に乗り込んだ。


マリアを演じているコロンビア出身のカタリーナ・サンディノ・モレノはこの作品でアカデミー主演女優賞にノミネートされてます。見ているうちに、ドキュメンタリーかと錯覚してしまうほどの素晴らしい演技。

ストーリー自体はもうホント救いがないんだけど、そんな中で、マリアの女性としての強さがもう感動的。
女って、そして母って、ホント逞しいんだなと圧倒されました。

それにしても、胃袋に麻薬を入れるって恐ろしいですね。。
成功報酬は日本円にして約50万円。なんだか言葉につまる…

実際に「ミュール」による麻薬の密輸が問題になっているコロンビアでは、麻薬撲滅運動が進められているそうですが、逆に市場での数が減り、ますます値段が高騰してしまう…という悪循環に陥って、結局成果に結びついていないそうです。